L'heure d'été サマータイム


2014年3月30日の深夜2時。
フランスは ( 一部を除く他のヨーロッパ諸国も同様 ) サマータイムに変更されます。

深夜 2 時に時計の針を 1 時間進め、深夜 3 時にする。

つまり今晩は皆通常よりも 1 時間睡眠が少なくなってしまします。
 
 今朝職場の同僚に言われるまですっかり忘れていたのですが、今はテレビのどのニュースでも必ず最後に 「 今晩は時計の針を1時間進めるのを忘れないように 」 と繰り返し促してくれますし、パソコンなどでは自動的に時間を直してくれるシステムも入っていたりするので、忘れて困ってしまう人はほぼいないといって良いかと思いますが。

この「サマータイム」でいつも思い出すのが、 20 年ほど前にリヨンで留学生活を送っていた時の事。
当時、フランス語はまだ良く理解できず、さらに新しい土地に着いたばかりなので友達もまだいない状況で一人で寮生活を ( テレビももちろん無し ) 送っていたのですが。
サマータイムに関しては全く知識が無く、また授業で話していたかもしれないけれども、良く聞き取ることが恐らくできなかったのでしょう。
月曜日に学校に行ってみると、ほとんど人がおらず、学校だけではなく町全体も静まり返っていて。おかしい、今日は祝祭日だったっけ!?と。
実はその週末にサマータイムから冬時間に替わっていたのを知らず通常より 1 時間早く登校してしまったのです。

この様な苦い経験があるので、それ以降は間違えてしまったことはありませんが。

このサマー・ウィンタータイムの導入は、フランスでは1973-1974年のオイルショック以降設置され、1998年よりヨーロッパ各国 ( 一部を除く ) と共通の時間を取るようになっています。

つまりサマータイム導入日は3月の最終日曜日 、ウィンタータイム導入日は10月の最終日曜日  。
日照時間に合わせた生活をすることで出来るだけエネルギーの消費量を抑えることを目的としています。

 

これらが土曜日と日曜日の間の深夜に行われるのはなるべく生活に支障のない様にする為。フランスは基本的には日曜日の就業は基本的には禁止されているので、学校も休みの週末に行った方が交通機関等も含めた混乱が少なくなるからなのでしょう。

なぜエネルギー消費の抑制になるのか。
3月31日 のパリを例に挙げると、、、

冬時間のままだと日の出は 6 時、日の入りは 19 時 45 分。
それを夏時間にすると日の出は 7 時、日の入りは20 時 45 分。
と朝、夕それぞれ1時間ずつのエネルギー使用量の削減になるのです。


また、一年で一番日照時間の長い日が冬時間のままだと日の出は 4 時 15 分、日の入りは 21 時 30 分になってしまいますが、それを夏時間にする事で日の出は 5 時 15 分、日の入りは 22 時 30 分まで延ばすことができます。

通常ほとんどの人が就寝している 5 時にはあまり明かりは問題にはなってきませんが、逆に 21 時 30 分から 22 時 30 分の間には明かりはほぼ必然。 22 時 30 分まで日の光があるのであれば人工的な明かりは必要ないのです。


青 : 夏時間を実施している国・地域
橙 : 過去に夏時間を実施したが現在は行っていない国・地域
赤 : 夏時間を実施したことのない国・地域

 

そしてこれらの国では以下の効果が得られると考えられているようです。

  • 明るい時間を有効に使えるので照明の節約になる。
  • 交通事故や犯罪発生率の低下。
  • 活動時間が増えることによる経済の活性化。
  • 午後の日照時間が増えることによる余暇の充実。

但し、もちろんこのシステムに反対する声もあり、その理由としては以下の通り。

  • 明るいうちに帰宅すると、暑い時間を家で過ごす時間が長くなることから冷房による電気の使用量が増え、照明の節約効果以上にエネルギー消費量が増える。それにより、かえって電気代も増えることになる。
    ( 但し、この理由は一般家庭では冷房機器の少ない欧米諸国にはあまり当てはまらないかと思いますが。 )
  • コンピューターを利用する各種システムを更新しなければならないなど、移行コストがかかる。
  • 時刻切り替え時に一時的に交通事故が増加するという報告もある。
  • 日本においては、個人の時間を削り労働時間 ( 残業 ) を増やす上、最悪サービス残業の温床になりかねないという指摘もある。

 

私は賛成はですが、皆さんはどう思われるでしょうか。