新しい家族

先日の日曜日は彼のペイントボールの試合の為に朝5時過ぎに起床。

出発の準備をしていると玄関の向こうから「ミィヤァ、ミィヤァ」という小さな鳴き声が聞こえてきました。
上階の住人が飼っている猫の鳴き声かと最初は思ったのですが、それにしては声が近すぎる。
扉を開けてみると小さな猫がちょこんと座っていたのです。
階下にあるアパートの入口がよく開け放しにされているので、これまでも野良猫が建物の中に入ってくる事は何度かあったのですが、初めて見る猫。

ただここで撫でたりしては居着かれてしまうと、出口を促し扉を閉めたのですが。

出かける時間になり玄関の外に出てみると、先程の猫がまだいてゴロゴロなついてくるのです。
出かけなければいけなかったし、アパートで動物を飼うつもりもなかったので、なるべく目を合わせないように足早に出て行ったのですが。
その猫は私たちの後ろから何とも悲しそうに、ミィヤァミィヤァと、しかも今までどの猫からも聞いたことがない様な大きな声で救いを求めるかのように何度も何度も悲しく鳴くのです。
まるで「追いて行かないで!!」とでも言っているかの様に。

彼もあんな声は今まで聞いたことがない、と。
あの何とも言えない悲しい声が耳に残ってたまらない、と。

玄関の扉を開けた時にじっと私の顔を見ていたあの時の猫の目が生前の母の目に似ていて、私もずっと母を置いてきてしまったようなやり切れない気持ちでいたのでその事を彼に言うと、

「あの声にその目。もしかしたら何かあるのかもしれない。帰宅した時にまだいたら何か意味があるのかもしれない。その時はじゃあ飼おう。」と。

朝の6時すぎに家を出、アパートに戻ってきたのは午後3時過ぎ。
さすがにもういないだろうと思っていたのですが、、、。
建物に入り階段を先に上っていた彼が

「何、猫ちゃんまだいたの!?」と。

きっと冗談で言っているのだろうと本気にしなかったのですが、、、。
本当に朝の猫が朝と同じ場所にちょこんと座っていたのです。

確かにまだいたら飼おうと言ってはいたものの、アパートでは飼わないと決めていたので、随分悩んだのですが、、、。
良く見るとしっぽが少し曲がっていて、右の後ろ脚も若干引きずっているような感じ。
どこかで事故にでもあってしまったのか。
そんな可哀想な猫をほっぽり出してしまうのも気が咎めるし、何よりも朝の異常な鳴き声、そして母に似ている目を持った猫。
きっと何かあるのだろう ( もしかしたら母の、、、!? ) と飼うことに決めました。

そのうち家を持ったらまず犬、そして猫を飼おうかなんて言っていたのですが順番が逆さまになってしまいました。まあ仕方がないですね。

 

という訳で新しい家族の名前は Taka 。
私の母の孝子という名前からつけました。
自分の名前を既に理解しているようでTaka と呼ぶとミィヤァと返事をします。


小さいころに引っかかれてその後猫が怖かった彼も仕事の合間に電話をしてきては、Taka はどう?Taka がこれしたあれした、、、とすっかり親ばかになってしまっています。
この遊び道具を翌日直ぐに買ってきたのも彼。

事故にあってしまったのかどうかはわかりませんが、少しでもTaka に安心した暮らしをあげられたら良いなと思っています。