フランスの選挙

ところで随分前の話になってしまいますが、先月末に市町村議会議員を選ぶ直接普通選挙 ( 6年ごと ) が行われました。
 

 

直接普通選挙で市町村議会議員を選び、選出された議員が市町村長(および副市町村長)を選ぶ。


㋐ 人口 3,500 人未満の市町村 : 多数代表連記 2 回投票制

㋑ 人口 3,500 人以上の市町村 : 拘束名簿式比例代表 2 回投票制

㋒ パリ、リヨン、マルセイユ             : 各選挙区内で名簿式比例代表 2 回投票制を実施。

( 人口 3,500 人以上の市町村と同じ規則に従って ) 有権者は市議会議員と区議会議員を同時に選ぶ。

 

第一回投票 ( 3月23日 ) で有効投票の過半数を獲得する候補者がなければ3月30日の決選投票で勝者を決める。

 

結果、第一回、二回投票のどちらも失業率の高止まりなどによる現政権に対する不満から左派は敗北 ( 右派の得票率約 53 %、左派は約 41 % ) 、逆に欧州統合反対、移民敗訴を掲げる極右の国民戦線 ( FN )が躍進しました ( ゼロから10以上の自治体で同党の首長が誕生 ) 。

 

第1回投票の棄権率は、24日未明の内務省集計で過去最高の38% 。
第2回投票後の31日未明時点のそれは 38.9 %。


「有権者の失望が投票を拒否する形で示された」との指摘もありますが、、、、。
確かに声高に自分の意見を述べるフランスではその様な形での棄権も少なからずあったかと思います。

ただ日本同様、たかが一票では何の力にもならないと考える人や政治に興味のない人もかなりいて。
たかが一票、ではないのですよね。この一票、一票の積み重ねが大きな声、力となり政治を動かして行くのですから。

 
と言いながら、私たちは投票に行く事が出来ませんでした。
というのも、やはりフランスは「自分で動かないと何もしてくれない国」であって、これは選挙権に関しても同様。
選挙権は18歳から与えられるのですが、但し「自分が住んでいる場所か不動産物件がある場所、両親の出生地のいずれかの役所に申請して、有権者カードを取得しないと投票できない」事になっています。
話には聞いていたので選挙の一ヵ月程前に市役所に申請しに行ったのですが、今回の選挙の為には昨年12月末までに申請しなければいけなかったとの事。
今回はかなり市の運営に不満を持っていたので、本当に残念でした ( 結局シャトーブリアンは現職が再選しました ) 。

 その様な訳で、まだ一度も投票には行った事はありませんが、投票方法はやはり日本とは違うようです。
 
各候補者の名前が印刷された用紙が机の上に置かれていて、有権者は 1 枚ずつ全員分を取って投票スペースへ。
投票したい人の用紙を封筒に入れて投票箱へ ( このとき係員が「ア・ヴォテ=投票しました」と声を出す ) 。誰に投票したか分からない様にする為のシステムですが、投票しなかった分の用紙はゴミ箱に、、、というのがあまりエコロジックではないですね。